G1ラボ - デジタルマーケティングを研究する為の備忘録

これからのデジタルマーケティングは技術と方法に加え、OfflineとOnline、HardwareとSoftware。6軸+αの時代を生きるデジタルマーケッター

東南アジアのデジタル広告費

フリークアウト社のレポートによると、2016年のタイ・インドネシアベトナム・マレーシア・フィリピンにおけるデジタル広告費は1500億円で、2020年には2700億円に達するようです。

ネット広告のフリークアウト、東南アジア6カ国に拠点 | newsclip (ニュース、ASEAN、その他のニュース)

 個人的には少し意外な感じで少ないかなという気持ちがあります。2020年の段階で1つの国あたりで540億円。日本は2016年段階で1兆円規模。

2016年インターネット広告市場規模推計調査~D2C/CCIが独自推計~ | 株式会社D2C

人口規模でいえば日本よりも断然多い上記5ヶ国、それでも2020年で3,000億円に達しないと言うのは「可能性」と呼ぶかどうか。もちろん数字では判断できない部分もありますが、おそらくこれらの数字は勝ち組企業がほとんどのボリュームをもっていってしまうのでしょうね。

ただ、東南アジアのデジタルマーケティングSNSマーケティングが主流になっていくと思いますので、個人やSNS所有企業が独自で広告を回すことができてしまうという点で、どこまでそれが広告代理店の仕事として取り込まれていくのかは未知数です。

既にタイではWEB広告企業の倒産が多く、これからさらに厳しくなっていきます。もう少し市場規模を大きくできないとこの流れはまだまだ続くでしょうね。

 

 

東南アジア、FacebookはECサイト。Instagramはカタログ。

ずっと前から言われていたけど、最近痛感に近い感じで感じることはこれ。Facebookは決済機能を持つようになりそこで物を売ることができる。その中で何が良いかというとBtoCとしてのEC機能ではなく、CtoCのEC機能を手軽に持ててしまうということ。

 

企業や個人はEC構築にお金をかけ過ぎることなく、EC構築で使う予定だった余剰資金でFacebook広告で勝負!

 

・・・というのをFacebookは狙っているのでしょうね。その為にFacebookがすべきことは1つ。Facebook登録ユーザーの死守。日本ではFacebookはオワコンと言う人もいますけど、東南アジアではまだまだ超優良コンテンツです(コンテンツっていうのかな)。Facebookを見る=ネットサーフィンと言ってもいいくらいの利用率。日本ではLINEのタイムラインのほうが受ける?という記事も見ますけど、いやいや、LINEのタイムラインよりFacebookのタイムラインですよ。それくらい東南アジアのクリエイターやデジタルマーケッターはFacebookマーケティングに力をいれて活性化させようと必死です。ショップ機能できたよ!クーポン機能できたよ!など・・・これぞFacebookのアンバサダー達・・・なんてこった、FacebookAppleばりのアンバサダーを東南アジアでしっかり確保しているじゃないか。

 

東南アジアでは電子商取引といわれるECの主戦場はBtoCからCtoCにうつり始めています。Facebookでも売買が活発で、コミュニティも多いです。嘘だ!!と思うかたのために参考コミュニティを紹介します。タイのコミュニティです。

iPhone売り買いコミュニティ「iPhonemod Market Thailand」

https://www.facebook.com/groups/imodmarket

57,000人もの人たちが登録・参加をしているコミュニティ、常にiPhone関連の個人間取引が行われています。

iPhoneを売り買いする人たちの事情は色々です。日本と違って月賦制度ではありませんから一括払いもしくはクレジットカード払いです。日本人でも一括払いがしんどいiPhone、初任給が45,000円のタイで新品iPhoneを買うのは楽ではありません。欲しくて買ったけど支払いが苦しくてすぐ販売する人もいれば、新品を買えないから中古を狙う人もいたり、一定の売り手と買い手の需給環境が整っているのです。

楽天もBtoCの楽天モールをタイやインドネシアから撤退、既に東南アジアでCtoCのECアプリを展開しています。楽天を見ていると何が将来のニーズなのかわかります。

そのような流れの中でFacebookは粛々とEC機能を強化しているわけですが、Facebook社にとっては、Facebook上で取引の決済をさせれば全ての取引に対して手数料を取れます。Facebook社はその営業収入の9割を企業などからの広告収入に頼っているとのことなので、やはり新しい収入フローを考えないといけないのですね。そう考えますと企業数よりも圧倒的に数が多い個人数からの収益を考える他はありません。だからFacebookは会員数を増やし続けないといけません。今後別カテゴリでの人気SNSが出てきたら徹底的に買収をかけてグループ会員数を増やそうとするのではないでしょうか。

その例の1つとしてFacebookInstagramを傘下に納めています。InstagramFacebookからユーザーを奪っている画像中心のビジュアルSNSです。Facebookとは若干異なる特徴のある角度をもつSNS、強みとしては電子カタログとしてのポテンシャルとパフォーマンスが高い点ですね。文字、写真、動画、様々な機能を網羅するバランス型のFacebookには絶対できないとんがり方をしています。だからこそ全知全能の神のように存在したいFacebookを補完する立場のSNSとしてはうってつけだったのでしょうね。

 Facebookは様々な情報を掲載でき決済もできるECとしての強みを持ち、それを補完するためのWEBカタログとしてのInstagram。こりゃ、このままいけばEC開発会社の淘汰は確実にやってくるでしょうね。

 

経営的な視点から考えるとやはりECに関連する業界にいる企業は、「何を開発できるか」ではなく「どんな適応能力を持つか」が重要だなと感じます。

コミュニケーションのアウトカム

最近、電通PRが採用して話題になったバルセロナ原則。従来の広告換算値を否定して、新しい広告の価値評価を求める事をうたっている原則ですが、その中で使われている「コミュニケーションのアウトカム」というものをどう解釈し、扱っていくのかが重要であると思っています。

まず「アウトカム」とはなんでしょうか。辞書によりますと「成果・結果・目標・評価指標」などという言葉があがってきます。コミュニケーションのアウトカムというのは、コンテンツが行なったユーザーへのコミュニケーションに対する結果という捉え方ができると思います。

例えばFacebookでいえば、Aというコンテンツを投稿した時にどのような反応をもらえたか、Bというコンテンツを投稿した時はどうか・・・など1つ1つに対する反応を調べれば1つのアウトカムは得られます。それを絶対評価で判断する場合もあれば、相対評価で判断する場合もあります(絶対評価の基準もまた究極で言えば相対評価の結果から出ているわけですが)。このように、目に見える評価(いいね!の数など)によって日々のアクションへの評価をすることができるわけですが、この評価だけでは完全ではありません。これだけだと、どうしても「定量評価」の色が強過ぎてしまうわけで、実態を掴み切れていないケースが多いのです。たとえとしてはふさわしくないかもしれませんが、前回のアメリカ大統領選挙世論調査などの定量調査ではヒラリークリントン氏が有利と言われていましたが、結果として「隠れトランプ支持者」が予想をはるかに上回る数で存在し、トランプ大統領が誕生したこともまた定量に頼りすぎることのリスクを表していました。

では、それを補う評価は何かといえば、定量に対するものとして「定性的」なものになります。いわゆる「意見」というものですね。ソーシャルリスニングという単語にもありますが、SNSなどのFacebookなどのツール上ではコンテンツに対するコメントの中身を分析することができます。これらも意見になりますので分析をすることで様々な情報を得ることができ、コミュニケーションのアウトカムに対する価値は上昇します。

しかし、それらのコメントについての分析も必要ですが、やはりFacebookなどのツールから外れたゾーン、例えばネットではなくリアルな世界でのヒアリング力も重要です。

現実的には不可能ですが、もしアメリカ大統領選挙でFace to Faceで記者がアメリカの有権者全員にヒアリングできていたら、トランプ勝利の予測をするメディアはもっと多かったと思います。会話によるヒアリングとは、質問者の能力によってその信憑性が大きくあがります。表向きはクリントン氏と言っていた人も、誘導尋問に近い形のハイレベルな質問を行えば、トランプ寄りであるということが露呈してきます。そこでより現実的な実態を掴むことができてきます。

つまり、このように様々なツールを用いた定量と、レベルの高いヒアリングを持つ定性の双方における活動を同時に線で結びつけて考える仕組みがこれからのマーケティングでは必要となります・・・と声高らかに書きたいところですが、このようなことは以前からも言われていた当たり前のことでもあります。ただ、最近のデジタルマーケティングの病的なほどの熱狂によって定量調査手法が爆発的に支持を受けていたので定量と定性のバランスが崩れており、定性を改めて強調せざるをえない状況にあるというのは間違い無いでしょう。

コミュニケーションのアウトカムというものを評価する際は、定量評価とその手法、及び定性評価とその手法をいかにフェアに扱うかが重要になりますね。そのどちらかに偏り過ぎると、とんでもない思い違いの評価をしてしまうリスクがあります。

 

 

 

 

ネットとテレビの融合が成立するきっかけになる新会社が誕生

ネット購入履歴 + TV視聴履歴 = 最強のネットとテレビの融合の図式ができあがりますね。"ほりえもん"こと、堀江貴文さんがフジテレビへの関与を強めようとして「ネットとテレビの融合」を声高らかに宣言してから10年以上たちますが、いよいよ本当の意味でのネットとテレビの融合が始まるのでしょうね。

楽天が広告参入、電通と新会社 社長に元グーグル日本トップ

 ネットとテレビの融合と言えば、当時はコンテンツの相互シェアだと多くの人が言っていましたが、結局はテレビのシェアダウンを助長するだけのように見えました。しかし今回の発表ではどちらかというとテレビ側にとってお得な話かもしれませんね。視聴テレビごとにカスタマイズされた広告を出すことができるようになれば、従来の「CM枠」というものは、視聴者の視聴履歴による「レコメンド広告」という提案型のオススメ広告に変わっていくことでしょう。

視聴者の視聴履歴は個人情報に当たるのかどうかについては賛否両論ありますが、インターネットも閲覧履歴は収集されていますので、収集可能な個人情報としての認識のようですね。まあ、この辺は時代の流れでどう考えても強引にオープン化されていくのでしょう。

 

ARのおさらい。

IDとパスワードを忘れてしまい更新不可能に陥り焦ってましたがやっと復活しました。

久しぶりなのでARのおさらいをしようと思います。最近はMRが主流になっていますが、MRもARをしっかりと理解して使いこなせなければMRは使いこなせません。それくらいARというのは大事な技術です。

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ARには大きくわけて、ロケーションベースAR、マーカーレスAR、マーカーARがあります。これらは画像認識型ARと場所認識型ARにわかれます。

画像認識型ARといわれるものには大きな意味で2つあります。それがマーカー型ARとマーカーレス型AR。

マーカー型ARというのはその名の通り、マークに反応するARでQRコードにちょっと近いと個人的には思っています。マークを認識したら、あらかじめ設定してある情報を読み込み、狙っている場所に表示させるというものですね。例としては以下のYoutubeがわかりやすいかと。四角形の中にしっかりと表示されていますね。四角形の中という部分がポイントです。

youtu.be

マーカーレスARというのはこの四角形の中にとらわれず、手のひらの上に情報を出したりする機能です。最近よく見かけるARシステムですね。

www.youtube.com

 

では場所認識型ARとはなんでしょう。簡単にいえばポケモンGO!です。これはロケーションベースARと言われていて、現在地に応じて情報をスマホ上(正確にはアプリ上)に出す機能です。場所(ロケーション)に依存(ベース)したという意味でロケーションベースとラフに考えればわかりやすいでしょうね。こんな感じです。

www.youtube.com

 

「場所と画像を使って新たな情報を呼び出す」

このような考え方は「発想力」が大事になります。

 

プレステもXperiaになる日がきそうだ

Xperiaがタワー型のプロジェクタ搭載機を発表しましたね。

机や壁をタッチ画面にできる「Xperia Touch」が6月に日本発売決定!

最初はそれどうなのかなーと思ったのですが、よくよく背景を考えて見るとこれはXperiaをPlay stationのユーザー層へ浸透させて取り込もうという作戦なのかなと妄想しました。

スマホというのは個人の所有物で、わざわざ家の人や他人が見えるところで投影して個人情報や個人的なやりとり(メールとかSNS)を見せるというのはプライバシー守秘の強い日本では「無し」な機能だと思うのです。そう考えるとなぜこの製品を出したのかな?それもXperiaで。・・・と考えるとやはりエンタメ要素なのかなと。それもただの投影だけではなく、操作もできるとなれば、「ゲーム」しか現状思い浮かばないわけですね。

テレビに繋げなくてもどこでもプレステを楽しむことができるというプレステのMobility性を搭載させ、最終的にはこのプロジェクタを小型化してスマホに搭載し、XperiaとPlay stationでX-Play Stationのような製品にしていくのかしら?などと妄想してみました。

参考映像見る限り、今回のタッチポイントの感度は良さそうですね。

「Xperia Touch」ファーストインプレション-『Fruit Ninja』で遊んでみた-

この機械にもう1つカメラを搭載してAR機能を追加したら自分参加型の立体型のゲームを楽しめると思う。日本企業のSonyらしい面白い機械になりそうだね。