G1ラボ - デジタルマーケティングを研究する為の備忘録

これからのデジタルマーケティングは技術と方法に加え、OfflineとOnline、HardwareとSoftware。6軸+αの時代を生きるデジタルマーケッター

EC決済の悩み

f:id:digitalmarketers:20180118112119j:plainECの決済方法について色々考えているわけですが、従来のようなクレジットカード決済は当然として、最近日本でも世界でも流行しはじめているQRコード決済をどう考えるかなんだよなということ。

QRコード決済は、レジで見せられるQRスマホアプリで読み込んで決済完了!という手軽なシステム。あらかじめスマホアプリにクレジットカードを読み込ませておくだけでOKというシンプルさがある。中国でも爆発的に伸びている決済方法だそうだ。

しかし東南アジアで見た場合どうだろうか。リアル店舗においてSamsung Payなどのスマホ連動型決済手法も伸びてはいるが、想定していた以上の伸びをあまり周囲では感じられない中で、スマホアプリにクレジットカード登録をするという1手順がどう購入者の離脱と関係してくるのかがまだ不透明。どうせクレジットカード決済になるなら、クレジットカードを通常のリーダーで通して決済すればいいじゃんとなればそこで終わり。

うーん、悩ましいね。

GMOが海外展開しているZ.comでもまだQRコード対応はない様子。2P2Cを参加に持つGMOが、どう舵を切ってくるかだろうなあ。そう考えるとプリペイドカードなのかなとも思う。

Top upで事前入金することで「10%プラスTop up」という金銭的なメリットの提示もできるから、ユーザーの囲い込みもできる利点がある。

QR決済の日本での大手企業「Origami」の人の記事にもあったけど、EC決済はEC機能の進化と比べてもあまり進化してこなかった歴史があり、今大きな進化点にあるということだった。確かにEC決済は今大きな岐路にいると思う。

でもそれが、QR決済が主役に立つ岐路なのかどうかというとまだまだ不透明。

色々考えたけど、結局は市場シェアと決済会社の信頼度で決まってしまうところがあるのかな。

「これからは!」の繰り返しのデジタルマーケティング業界

本年も宜しくお願い致します。

今年はもっと更新を頑張ります。

さて、年も明けて気分一新!という感じですが、気分一新とは自分の心の中から湧き出るものでありたいものです。しかし年が明けると、メルマガ、SNSなどで見る単語は「今年のトレンドはこれだ!」とか「これからはXXXだ!」などという、他人を気分一新させるデジタルマーケティング会社のPRトークが溢れています。

最近、このような会社を「トレンド紹介企業」と呼ぶようにしています。これらの会社には今までクライアントに投資させてきた事の総括なく新しい技術や方法への投資を促す企業が少なくありません。

 

自分でやっていて常々思いますが、デジタルマーケティングとは方法であって、マーケティングの根幹ではありません。トレンド紹介企業のPRに乗って新しい方法をやり始めたとしても、クライアント側にマーケティングの基礎知識や基礎能力がなければ猫に小判や豚に真珠の類で、儲かるのはトレンド紹介企業だけです。

 

2018年は人工知能(AI)が更にトレンドキーワードになっていきます。

トレンドに乗っかりすぎる事なく、自前のマーケッターをしっかりと育ててデータを見る目を養っていく事が大事です。SEOはもう古い!と言いながらもSEO事業を辞めない企業が多いのがその一例です。

 

気分一新は自分の目と頭と心で行なってください。

今年も頑張りましょう。

 

ユニクロのICタグ実装。デジタルマーケティングへの期待は。

ユニクロが全商品ICタグ実装というニュースが日経新聞の速報で入って来たけど、インパクトはあるニュースであるのはまちがいないですよね。

www.nikkei.com

 

ICタグといっても、色々なタグがあるのでどんなタグを使うのかまだわかりませんが、思い浮かぶのがRFIDタグですね。こんな感じの。

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Icon made by Freepik from www.flaticon.com 

www.denso-wave.com

 

 

アパレルの場合は本当のアパレルタグでのICタグだと思うので電源を持たないパッシブタグだと思います。RFIDタグがついていればリーダーを付近で読み込むことでそのエリアにあるタグを全部読み込めるんですよね。今は在庫管理などで運用が進んでいますが、恐らくRFIDもラベルの材料費が安価になっていけばマーケティング関連でも当たり前のように使われてくるでしょうね。本当は既に予算の大きめなイベントではICタグの入ったアクセサリや腕輪などで使われていますが、あまり予算をかけられないものでは後回しになってしまいます。

しかし、このユニクロの記事にあるように、数量カウントだけではなく、物の動き方までデジタル化することができればAIの技術を使っても、使わなくてもある程度デジタルマーケティングとの連動が可能です。特にリアルタイムでのデジタルマーケティングとの連動では親和性は高そうですね。

例えば、アプリとの連動。あらかじめアプリに体のサイズを入れておきます。そしてICタグのついたアパレルを手にとって動き出した段階でサーバーがそれを感知し、ユーザー情報と比較をして、アプリのプッシュ機能で「体のサイズにあわないものを買おうとしています!」というアラートを出したり「この製品に合う人気商品で当店に在庫があるものはこれです!この場所にあります!」という追加情報を出したりするとかね。

 リアルタイム・レコメンド機能、まさにオフラインtoオンラインのO2Oですね。これは妄想じゃなくて、現実的に現在運用できることなので、こういうものが搭載されてくるとレコメンド機能を人からデータベースにすることで、店舗の省人化にも繋がって日本では経営側から受けるような気もしていますし、新興国ではユーザー側から受けるようなきもしています。

 

 

 

よくわかるRFID(改訂2版)―電子タグのすべて―

理想は「スティール」。求めちゃいけないデジタルマーケティング。

デジタルマーケティングの会議において常に心がけていることがあります。それはマーケティングはユーザーに「求める」事をしてはいけないってことですね。求めたらその段階で「ステップ」が1つ増えますよ。例えばこう考えるとわかりやすいです。これはECサイトで酒を購入してもらいたい会社のケース。

<「求める」ケース>

1.ECサイトにアクセスしてもらいたい

2.アクセス後にユーザー登録をしてもらいたい

3.お酒を購入してもらいたい

 上記は、売り手の「精神的」なゴールが3つ存在しています。1つ目はECサイトへのアクセス、2つ目はメンバー登録、3つ目はお酒を購入してもらう。それぞれのゴールに対してそれぞれの予算を投じて頑張って1つ1つのゴールをクリアしていく必要があります。しかしこれはゴールではなく、実質は「壁」なんですよね。もっと言えば「関所」です。ユーザーにお酒を買ってもらうために、行動的にも精神的にも3つの壁であり関所をユーザーにクリアしてもらう必要があります。これは結構大変ですよ。

街中で呼び込みをしているお兄ちゃんになったつもりで考えてみます。

「すみません!ちょっとお時間いいですか!お酒のECサイトにアクセスしてもらいたいんですよー。もしアクセスしてくださったらノベルティあげますんで!」「あ、アクセスありがとうございました!あのー、もう1ついいですかね?もしよろしければユーザー登録して欲しいんですよ。もしユーザー登録をしてくださったら今ならゴールドメンバーになれるんです!お願いします!」「ユーザー登録あざーーーっす!もう1つ!もう1ついいですかね!?もし、今お酒を買ってくれるなら、20%のディスカウントクーポンを差し上げます!」

 ・・・どうですか。超面倒でしょ?

買ってもうまでに何回も「お願い」をしなければいけないわけですが、ユーザーにとってはこれは相当な負担です。3つの行動をユーザー自身にしてもらう必要がありますが、まあほとんどのケースでは「いや、結構です」とアクセスしてノベルティをもらって終わりでしょう。「求める」ということはそれだけ大変なことなのです。求めることは「心の奉仕」をユーザーに求めるわけですから、私たち自身が相当信頼されてなければ難しいことです。

 そういう観点も踏まえ、上述の「ECサイトでお酒を買ってもらいたい企業」のケースにおいては、私たちは議論のポイントを「お酒を買う」のみにゴールを設定します。アクセスをしてもらう事やメンバー登録をしてもらう事はただのステップの扱いにして、最重要課題とはしません。これ、一般的に言われていることでとても当たり前のことですが、本当に大事なことなのです。

私自身も時折そうなりかけることがあるのですが、「お酒を買う」だけにゴール特化させていても、いつのまにかメンバー登録を簡単に行うことなどに集中しすぎてゴールが複数生まれそうになってしまっているのです。

ゴールが複数になれば、議論もぼやけるし、それで方向性が出てしまったら予算もゴールの数だけ増えていきます。そして更に言えばそんなチームにおいては、複数あるゴールのうちの1つのゴールの中でも複数の小さなゴールが更に登場してきます。ゴールの無限増殖です。そうしていくうちに、予算も比例して増えていきますので、結局費用対効果がどんどん薄くなっていくわけですね。だから絶対にゴールは間違えてはいけないし、最初に決めたゴールからぶれではいけないのです。

 じゃあ、何が理想なのかと言えば、理想的なイメージとしてはこんな感じです。

「お酒を飲んで幸せな時間を過ごしたいから、ECサイトにやってくる。そんな時間を過ごしたいから買いたい。買いたいからメンバー登録のわずらわしさはあまり気にならない」

文字にして見ると、当たり前のことなのです。しかし意外とできていないことなのです。お酒を飲むというのは「お酒を飲む時間を過ごす」という事ですね。お酒を飲む事を目的とするか、お酒を飲んで素敵な時間を過ごす事を目的とするかでは似て非なる価値があり、心理的な部分でも大きな差がありますね。心理的にぐっとユーザーの心をつかむ事ができれば、メンバー登録というものは壁や関所の類ではなくなり、普通にプロセスを通過してくれるようになります。

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ちなみに、このような話をしていると、「MAツールはどこのものを使えばいいですか」という質問を受けることもありますが、実際のところ私の言っているポイントは優れたMAツールを使っているかどうか・・・とは全く関係ありません。コンテンツが大切なので。

・・・というのも、昨今のMA系の各サービス会社の提案などをみていると、各工程のユーザーの動きの見える化を実現し、ABテストなどでユーザーにより近づく努力をし、ターゲットとなりそうなユーザーを顕在化させるるという動きがサービスの基本動作になっているのかなと感じます。しかし、どんなに優れたMAツールや集客ツールを使っても「買う気がない」ユーザーを「買う気」にさせることはできません。これらのツールは「買いたい/買ってもいいかな」と考えるユーザーをしっかりと連れてくる役割を果たすだけであり、「翻意させる」という部分には特段の強みを持っているわけではありません。またMAツール依存の問題点は、部分効率化をMAXにする代わりに、全体効率化を悪くしてしまうケースがあるという事です。本来は無視してもいいステップすら見える化して効率化を促してくるので、マーケティングの経験がない人が使うと部分効率化を追求しすぎて、本来のゴールから遠く離れてしまうのでそこも注意です。

 大切なことはサービス・商品・説明力の3つが一致団結して「ユーザーのハートを盗む」ことになります。Facebookの「いいね!」よりももっと深いところにある「憧れ」による「いいね!」ですね。アサヒスーパードライが登場した頃、サラリーマンがビールをごくごく飲んで「仕事上がりのビアガーデンの楽しい時間」をCMで見せていました。

「すぐに自分もそんな時間を過ごしたい!」とユーザーに思わせる事ができるかどうか。ユーザーの心を盗んで話さない「スティール」の基本を忘れてはいけないと会議の中でも気をつけて議論のオーガナイズを行なっています。

 

漫画にいやらしさがでたら逆効果。SEO対策としての漫画。

オンライン、オフライン問わず漫画はコンテンツとしては、興味を引きやすいコンテンツ であるのは間違いないですね。漫画があると、「ああ、しっかり作り込んでるな」と感じます。 そういう意味で、漫画は最強コンテンツの1つでしょう。しかし、漫画があることがSEO対策になるから導入を!となるのはちょっと待ってという感じですね。そもそもコンテンツマーケティングだから漫画ってのは安直じゃないかとも思います。

 

マンガがSEO対策になる!?良質なマンガコンテンツを作る3つのポイント|ferret [フェレット]

 

これを読んで思ったのですが、漫画で使うキーワードを結局はテキスト化させるわけで、つまるところ「キーワードの扱い方」として漫画が「コンテンツの種類」として秀でているだけという、キーワード重視という従来のSEOのセオリーにはかわりはなく、見せ方を変えただけですね。そう考えると、SEO、更に言えばGoogleの評価だけを考えれば何も漫画にする必要はないのではと思いました。キーワードが乗っていれば、絵はかかずに小説でもいいよねという事にもなりますね。漫画という「絵」が重要視されるコンテンツの良さと、SEOの強みが連動していない記事な気がしました。

もし漫画がSEOに秀でている!という事であるならばGoogleが画像認識でテキストを読み込み、更にAIでストーリー理解ができ、更にAIでWEBサイトオーナーのサービスとの関連性や、一定のレギュレーション下における適切な理解を促せるものであるという分析ができるのであればわかります。但し、それも「漫画がSEO対策に良い」ではなく、「漫画はSEO対策の邪魔をしない」という部分からのスタートでしょう。しかしそんなことができるよりも、映像コンテンツを入れた方が手間暇を考えると断然良さそうですが・・・。

 

もう1つ、漫画の立ち位置を間違えてはいけません。

漫画は次のアクションを呼び込むために使われるべきものです。深い理解をサポートし、購入や問い合わせの意欲を促す役割を持つべきコンテンツです。つまりSEOにとらわれすぎると、セリフやイラストに無理やりキーワードに関連するものが入りまくって、下心見え見えのいやらしいコンテンツになる可能性があるわけですね。そうすると購入者の購入意欲は「警戒心」に変わってしまい、次に繋がらない可能性も出てきます。海外向けであれば漫画は有効ではありますが、日本人はかなりコンテンツリテラシーが高く目が肥えています。駄作的な漫画を中途半端に出すことがかえって逆効果になることも忘れてはいけません。

 

初めてのおつかいじゃなく、ドメイン管理者の変更。

いつもは細かい手続きはスタッフにお願いしていたので、いざ自分でやるとなると手続きがわからなかったりする事ってありますよね。今回、ドメイン管理者を変更する必要があって自分でやろうとしたら、「よく考えたら、その手続きってやったことなかったな・・・」と思い、私のITメンターでもあるAさんに質問をして解決しました。とっても簡単でした。

今回、少し面倒だったのは海外のドメインだったので、最初は「お名前.com」で作っていたものを海外のエージェントに移す作業も必要であるという点がポイントでした。

 

現在の管理エージェト:お名前.com

新しい管理エージェント:海外ドメイン管理会社

 

まず、現在の管理エージェントからAuth codeを発行してもらい、海外ドメイン管理会社にそれを伝えて登録してもらう。

 

それで終わりでした。Orz

お前、、、、そんな当たり前のこと知っておけよ・・・って感じですね。

 

help.onamae.com

 

  

SNSマーケティングはその用途とリスクで使い分け。

様々なメーカーのFacebook、LINE、LINE@の運用をしていますが、SNSを使ったマーケティングは見えやすいパフォーマンスのおかげで企業側にも人気があります。

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SNSの選択肢としては、Facebook、LINE系、InstagramTwitterYoutube、LinkedInが主流ですが、やはりFacebook、LINE系、TwitterInstagramの人気が高く、それらとの関連性という点でYoutubeが多様されている感じです。LinkedInは、コンサル系や人材系での運用が多いですが、それ以外の業界での運用率は低いと感じています。また、特徴的なのが1つだけを選ぶ「専用型」ではなく、2つのSNSを使う「併用型」が多いのも特徴です。

その中でもLINEはLINE@という低額パッケージでコストを抑えた運用ソリューションを提供しはじめてから、一気に企業側での運用が活発になりました。弊社クライアントでも運用が増えています。

LINEは確かに優秀なツールだと思います。LINEによってSMSのようなショートメッセージサービスは苦境に陥っているように、1対1でのダイレクトマーケティングにおいては、メール以上に強さを発揮しています。特に日本やタイなどのLINE普及国では。

しかし、LINEにも弱点があるなと感じています。

 

プッシュ型なので鬱陶しさを感じやすくブロックされやすい

 

LINEの強みとは何かを考えてみると、LINEの強みは無料電話やチャットによる「会話機能」です。LINEにおける生命線は相手との会話の実現であり、その為、LINEは連絡が確実に相手に届くというメリットを持っています。その一方で、そのメリットは最大のリスクにもなります。LINEにおいて、要件がある人からのチャットは受け取る側から見ても負担ではありませんが、広告というものは「興味がない」という状態であれば負担になります。未読の数字を消すために1度開かないといけないという工数があり、それが「めんどう」だと思う人が少なくないという現実もあります。しかし、LINEの場合は配信を行えば必ず登録者全員に記事が到達します。これは他のSNSと比べても突出したメリットです。

一方の他のSNS、例えばFacebookInstagramの場合、プッシュ的に情報を押し付けることはありません。それぞれのSNSにアクセスした時にタイムラインで見つかれば見ることができるという扱いのため、ユーザーにとっては負担は少ないですが、逆に「リーチ」と言われる配信実績数が落ちてしまいます。

 

LINEの強み

・確実に配信できる

・他人に見えない環境で1対1会話ができ商談に持ち込める

・幅広い世代でインストールされて利用されている

LINEの弱み/リスク

・広告予算に決して安くはない最低予算が設定されている。

・海外ではLINE Ad Platformが整備されてない国もある。

・ダイレクトマーケティングの究極系に近いのでブロックされやすい。

 

FB、Instagramの強み

・広告予算が低価格から実施でき、ページ登録者を増やしやすい

・情報収集ツールとしてのプラットフォームの認知を得ているので毎日

 見てもらいやすい

・タイムラインに自然にながれるのでいいね解除がされにくい。

FB、Instagramの弱み/リスク

・配信記事がいいね登録者全員に届くわけではない。

・プッシュ式ではないのでタイミングを逃すと閲覧してもらえない。

・他人に見えない直接的な対話がメッセンジャーという別アプリになる。

 

弊社で運用している/していない関係なく、多くの企業の活動を見る限り、LINEは「プライバシーに関わるもの」を、Facebookは「見た目に関わるもの」、Instagramは「リア充にするもの」という区分けをしていると、比較的効果が高めかなと考えています。