G1ラボ - デジタルマーケティングを研究する為の備忘録

これからのデジタルマーケティングは技術と方法に加え、OfflineとOnline、HardwareとSoftware。6軸+αの時代を生きるデジタルマーケッター

国リストをダウンロードできるサイト

グローバルサイトを作っていると問い合わせフォームをどのようにローカライズしていくのか、これは意外と忘れられがちですが、とても重要だったりします。

多くのサイトではプルダウン式メニューにして国を選択させて、国が選択されたあとにフォームが対象国向けのものに切り替わる・・・という方法をとっています。

ではそのプルダウン式メニューにある国リスト、それも英語版の構築はどのようにしているのか。毎回手入力でリストを作るのでしょうか。いやいやそんなはずないでしょ!と思う方もいるかもしれませんが、実は手入力している企業は少なくありません。

そんな担当者のために英語のリストがダウンロードできるサイトをここに掲載しておきます。

↓英語表記の国名がダウンロードできるサイト

tommcfarlin.com

 

上記サイトにアクセスすると以下の文章がでてきます。水色の部分をクリックしてください。

Here are the “County State City CSV” files. The archive includes:

 

そうするとダウンロードが始まりCSVファイルがダウンロードされてきます。CSVファイルはエクセルで開くことができます。

 

 

人口6500万人のタイ。正念場を迎えているWEB広告ビジネス。

人口10億の国、人口1億の国、人口6,500万の国。 

数字だけ見ると物凄い市場規模の差です。例えば中国。富裕層だけで1億人を超すというニュースを時折見かけます。日本の人口が1億2千万ですから、日本人全員が富裕層になっているようなもの・・・と考えると想像を絶するパワフルな市場です。

人口の多い国で物を売る場合、1つのブランドがカバーできる人口を考えることがあります。例えばある携帯ブランドがシェア10%であれば、携帯購入可能層の10%分の人口がカバーできている人口と暫定的に考えることができます。つまり人口というパイの大きさがビジネスの大きさにかかわってきます。

前回の投稿ではタイで成功した日系ポータルサイトのお話をしました。今回はタイにおける広告メディア、特にWEBメディアにおける広告ビジネスの現状を書き留めてみたいと思います。成功の裏にある厳しい現実があるのも事実です。

 

ポータルサイトでビジネスをしたいと思いたくなる土壌

前回紹介したSistacafeの成功にあやかろうと、類似・または何かの分野に特化したポータルサイトを作り始めている日系企業も増えてきています。記事を広告扱いで配信する場合、日本では(広告)と書く必要がありますが、タイのネット記事広告ではまだまだその文化は根付いていません。そういう意味で記事広告が自然体で作りやすい現在、記事広告関連の広告産業は儲けどころのタイミングにはいます。勿論成功しているポータルサイトも続々出てきています。

Facebookという超優良集客プラットフォームの存在 × コンテンツ力という強み

 WEBの場合はFacebookページと連動させることでFacebookからの流入が容易です。Facebookはタイにおけるキング・オブ・モバイルでFacebookでの「Like!」が集めやすいプラットフォームです。日本で「いいね!」をもらうよりもタイをはじめとした東南アジアで「Like!」をもらうことの方が比較的容易です。Facebookのような集客ツールの充実が、メディアオーナーからみたら「ポータルサイトでいけるんじゃないか」とその気にさせる一打になっています。

今のところ、成功しているポータルサイトとそうでないポータルサイトを見ると、日本、タイ問わずやはり記事広告の品質の差と人気度合いは比例しているのかなと感じます。この点についてはコンテンツ重視の日系企業のアドバンテージとなっているのは間違いありません。

 

■競合過多で淘汰もはじまっている

しかし、その一方で競合激化による淘汰も始まっています。紙媒体を見てみるとフリーペーパーの先駆者達は先行者利益によって広告市場シェアをしっかりと確保していますがやはり苦しそうなのは後発組、広告掲載媒体の数が増え、広告主の奪い合いが始まっていて値下げ合戦にも直面しはじめています。

紙媒体の辛いのは印刷コストで、発行部数=広告媒体の価値でもありますので、必死に印刷部数を上げていかなければいけないコストリスクがある一方で、競合媒体が増えて価格下落が進むという非常に厳しい時代に入っています。実際、ローカルでは名の知れた紙媒体が発刊中止、倒産という事態が起き始めています。

ネット媒体も今の媒体の増加速度からみればこのシチュエーションに入ってくるのは早いというか既にその傾向が出はじめてていると判断できます。

常に集客し続けないといけないプレッシャー

 タイにおいてアドネットワークの広告枠を置いている中堅のメディアで更新が止まっているサイトを最近よく見かけるようになりました。広告主から魅力あるサイトと判断されて広告出稿を得るためには、広告主にアピールできるだけの集客数が必要となります。紙媒体の発行部数は自称なので、その発行部数を広告主が知ることは難しいわけですが、ネットの場合は様々な無料サービスによっておおよそのアクセス数が誰でもわかってしまい、ごまかしがききません。そこでWEB広告、例えばキーワード広告やディスプレイ広告、Facebook広告などに投資をして集客を積極的に行う必要があるわけですが、その費用が大きな負担となります。

自分たちのポータルサイトからの広告収入が多くなければ、集客用の広告出稿費で収入が相殺されるような事態になり、最悪は赤字になるリスクがあります。そうなるとサイト運営を支える人件費を捻出できなくなり、必然的に人は去り、いよいよサイト運営が困難な状況に陥っていくわけです。

 

■事業の継続性は市場のポテンシャルを見極める事ができるかが鍵

それなら頑張って集客を増やす努力をするべきだ!という考えになるわけですが、タイという国のポテンシャルも踏まえた上で努力を継続するかどうかを考える必要があります。

タイの人口は約6,500万人と日本の約半分ちょっとです。決して大きなマーケットではありません。その決して大きいわけではないマーケットの中でターゲットとなる何割かのユーザー、そしてその中でも頻繁にネット接続をする何割かのユーザーたちが1日に数十分から数時間を費やすであろうネットサーフィンタイムの中で自分たちのサイトが閲覧に値すると「選ばれる」必要があります。

これはかなり難易度の高い話です。既に人々のルーティンとしてFacebookが存在しており、ユーザーの多くのネットサーフィンはFacebookを開いている時間、またはネットコンテンツの王様である動画、Youtubeへの時間が圧倒的に多いのです。その間隙を縫って自社のサイトに呼び込んでくる努力が必要なのです。この必要とされる努力は尋常なものではありません。なぜなら既にブックマーク入りを果たしている優良競合サイトがあるわけなので。

繰り返しますが、そこに割り込むには相当な努力が必要で、そこには覚悟も必要です。覚悟とはお金といってもいいでしょう。Facebook広告やWEB広告を通じた集客数は投資額次第の仕組みです。お金さえ払えば来訪者の質は別として、ある程度リーチや集客は見込めます。しかし結果として効果があったかどうかは、集客した後に「欲しいもの」があるかどうかです。せっかく集客できても来訪者が魅力を感じなければ再び来てくれることはありません。訪問者の日々のルーティンに入り込めるだけのパフォーマンスをサイトが見せる必要があるのです。投資しても全然ルーティンが増えない・・・という事もよくある話なので、お金を「覚悟」と見ているわけです。

 

■出口戦略をどう考えるかがポイント

紙媒体はデジタル化の流れで部数は今後減少していく事は間違いありません。しかし紙がゼロになるというのはなかなか考えにくく、紙とネットの両方を持ち、それぞれでシェアを持っているメディアは今後も取りこぼしを最大限減らす事ができ、安定して残っていけると思います。

その一方でネットメディア専業の場合、今後のビジョンが大事になります。ポータルサイトで集めたデータを元に新しいビジネスを起こすというのが多くの企業では次のステップになっていますが、新しいビジネスを起こしてもなかなかうまくはいっていないのも現状として多くの企業で見られます。

・・・というのも、ポータルサイトというビジネスはコンテンツ事業です。強みはコンテンツ力です。コンテンツ発信で成功したのだから、蓄積されたコンテンツを活かして・・・というビジネスモデルはコンテンツホルダーからみれば夢のある話ですが、蓄積されたコンテンツをそのまま”活かされたい"とユーザーが本当に思っているかどうか?というのをしっかり見極める必要があります。

コンテンツは旬が大事で、旬ではないコンテンツにどれだけの価値があるのか?という部分もあります。旬を維持し続けるためにはコンテンツの適材適所と共に、適切な時間を見極める必要があるのです。それが「記事の寿命」の話題とも繋がってきます。記事の寿命をケアできているWEBメディアであれば恐らくサイトそのものの寿命は長くなっていくことでしょう。しかしそれを新規事業で活躍させられるかというとまたそれは違う話になります。コンテンツ配信業者が同じコンテンツで違う配信事業を行う、または類似事業を行うというのはお互いのシェアを削りあう、ユーザーを奪い合うという事になる可能性もあることを忘れてはいけません。

また人の部分も重要です。サイト運営の人材を新しい事業に持っていくには2つのリスクがあります。1つは既存事業へのインパクト、もう1つは成功者を連れていくことでの新しい事業の失敗です。前者は言わずもがなですが、後者の場合は既存事業の成功事例に引っ張られすぎて、またその人材のやれる事に左右されすぎて斬新さを見失って市場のニーズを掴みきれなかったというケースです。同じようなサービスを連発するIT企業をよく見かけますが、得意分野で特化しているといえばそうなのですが、新規事業立案者が常に同じなのだろうという見方もできます。投資家がいる場合は、そこがリスクファクターになったりすることもあります。

このような背景から、WEBメディアに関しては出口戦略が重要になってきます。事業を継続しながら新規事業を立ち上げていく方法も1つの案ですし、ポータルサイトが旬なタイミングを狙って最高価値を持った状態で売却をし、投資した金額以上のものを回収するというのも1つの案です。

事業を始める時にどのように出口を儲けるかも一緒に考えて動く事が、うまくいかなかった時の被害を可能な限り削減する事ができます。

 

また頃合いをみて各メディアのアクセス状況などを見ながら定期的にこの話はしていきたいと思っています。

 

 

 

 

タイで月間400万の訪問者数。日系企業が作るモンスターWEB "Sista Cafe"。

他国で自分の居場所を作ることは簡単ではありません。ましてやトップクラスに駆け上がる事など考えただけで気が遠くなります。その中で日本の企業が圧倒的な存在感をしめしているのが東南アジアの中心に位置するタイ王国です。タイでは経済発展著しく様々な情報がインターネット上に溢れかえっています。日本企業は自動車や家電、産業機械産業でタイの経済を引っ張っています。

その一方で文化面では韓国のK-POPが流行し、韓国のコスメやドラマが世代を問わずに受け入れられています。産業は日本、エンタメ系は韓国。これがタイの長らく続いてきたトレンドです。

しかし昨今のビザ解禁によってタイ人が気軽に日本へビザなしでいけるようになってからは状況が大きく変わってきました。タイ人は多くのMade in Japanを求めるようになり、DHCのサプリメント資生堂の化粧品など日本で人気のアイテムをタイに買って帰るなど文化面でも日本が久しぶりに存在感をましてきました。

そんな中にあって、特に若い世代を中心に先進国のビューティの人気が急激に高まっています。ネット環境のスムーズな普及に伴い、多くの人がネットからの情報を毎日得るようになりました。特に大人気のFacebookは、その登録者数が人口の半数以上を占め、1つのOSのように情報プラットフォームとしての立場を確立しています。

そのような群雄割拠のタイネット社会において、また人気のビューティマーケットにおいて、日本企業が圧倒的な支持を持つビューティ・ポータルサイトを持っていることをご存知でしょうか。

 

そのサイトはDonutsという企業が運営している"Sistacafe"というポータルサイトです。月間の訪問者数は400万人を超えるというタイ同業ではトップクラスの数字を誇ります。多くのライターを抱え、コンテンツ力も高く、多くのタイ人が毎日見ているサイトです。

sistacafe.com

これだけの巨大モンスターサイトはタイ企業が運営しているのだろうと思っていました。しかし蓋を開けてびっくり、運営者は日本のゲーム製作会社でした。さすがはコンテンツを作る企業、タイでもコンテンツ力に重きを置いたその伝統はしっかりと引き継がれていました。

このサイトではKissという単位でFacebookでいうところの「Like」と同じような機能を持っています。凄いのはこのKissの単位が万単位になっている記事があるということです。毎月400万人の訪問者があれば当たり前といえば当たり前ですが、ここまで作り上げてきた企業努力には心から敬服致します。このような大規模サイトは企業としてしっかり運営しないと絶対に継続できないですからね。

 

 

子供の頃何度ものぞいたドアの先。VRでそれはどこでもいけるドアに?

子供の頃何度もドアを開いたら違う世界がある・・・と思ってドアを開けたり閉めたりしていました。そんな事が仮想世界とはいえできる時代がくるとは・・・と驚きです。

www.doraeiga-vr.com

ちょうど今、やっているようです。VRの使い方はまだまだ未知数ですが、主にB2Bでの使い道が先行して増えているようです。ビジネスシーンでのVRは教育関連含めて有効ですからね。しかしキャラクターとタイアップすることで「子供の頃憧れた世界」にタッチできる・・・というコンテンツは受けるかもしれません。個人的にはドラゴンボール北斗の拳などがVRになったら面白いだろうなと思います。

あー、かめはめ波受けてみたいし、自分で撃ってみたい!そして荒廃の世界を歩くケンシロウをみてみたい!北斗百裂拳を食らってみた・・・くない。。。

 

ここでも面白い体験記事を発見したので紹介しておきます。

「どこでもドア」をVRで再現! 「どこでもドア」の先に広がる南極大陸 - GAME Watch

 

没入感がどれくらい出せるかがポイントでしょうね。

 

 

コンテンツの見せ方は「誰から誰」へのコンテンツかによるという例

Facebook広告もサイズによって効果がかわるという結果があります。以下のページでその結果が記載されています。ここでは正方形動画(スライドショー式)と、長方形静止画で比較をしています。

smmlab.jp

とても面白い検証ですよね。正方形動画のほうが長方形静止画よりパフォーマンスがよかったそうで動画の強みが発揮されたのかなと思います。これからの時代、WEBコンテンツはより制作者と閲覧者の「心のインタラクティブな関係」が重要になってきます。その中で映像コンテンツというのは間違い無くその第1人者としてコンテンツマーケットを引っ張っていくと思います。

ちなみにこの記事のポイントは正方形と長方形のどちらが良いかを言いたいのでは無く、「見せ方」です。

スペインについて理解を深めるには単一のバナーで実施するのではなく、様々な観光地を見せた方がより興味関心が高くなり、「いいね!」をしてくれやすくなるのではないかという仮説を立て、静止画とスライドショー動画にて配信をしました。

 様々な観光地を見せた方がスペインの魅力を理解してくれるのではないかという見せ方の仮説がポイントです。海外旅行というものは1箇所では無く複数の箇所を回りますので「総合力」がプレゼンテーションとして重要だと言われています。このスライドショー式の動画はその総合力の一端を見せたものですので、評価もよかったのではないかと思います。

 

  

  

大事なことは「人が持ち続けたい」と思えるアプリ

マクドナルドのアプリをダウンロードしてみました。

 

アプリを見る時、最も期待する瞬間も最も落ち込む瞬間もハンバーガーメニューをタップした時ですよね。ハンバーガーメニューを開く前は「どんな項目があるのかな」とワクワクし、ハンバーガーメニューを開くと「普通の項目か・・・」とがっかりすることもあります。

そう、アプリで重要な事の1つは

ハンバーガーメニューを開いた時に「期待」に応えられたかどうか

 

が「アプリを継続してインストールしておこうかどうか」の分かれ目になるのだと思っています。

私にとってアプリを入れておく理由の1つには「クーポン」があります。特にマクドナルドのように時々行くお店のクーポンがいつでも取り出せるというのはかなり"推し"となります。クーポンというのはお金のようなものですから、クーポンがいつでも取り出せるアプリというのは「お財布アプリ」のようなものです。

しかもクーポンのデザインがリアルなのです。よくマクドナルドがクーポンを配ってたのを覚えていますが、あの頃はクーポンをよく使っていました。そのクーポンを思い出させるようなミシン目の入ったクーポンが使いたいなって気にさせてくれます。

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しかもこれ、店頭で見せるやり方とNFCで通信するやり方など様々な方法があるようです。今度使ってみようとおもいます。 

人が楽しめるもの、人が喜ぶもの、人が感動するもの、人が欲しいものは色々ありますが、もしかしたらそれらは一過性で終わる可能性があります。そう考えますと、アプリとは「人が持ち続けたい」と思うものである事が大事だなと改めて感じます。

 

 

  

映像コンテンツは"撮影のプロ"でなくても作れる時代

この映像は凄いですよね。エンジンの内部がどうなるのかを表しています。

www.youtube.com

このような映像は「映像のプロ」ではなく「技術を知る人の興味」によって作られています。最近、このような人たちによって作られる映像が増えてきました。それはスマホや低価格帯ビデオのカメラ解像度の進化と便利な映像ソフトの登場によって実現可能になっています。

以前は「映像=テレビ」というイメージがありましたが、Youtubeなどの台頭によって映像=テレビの構造は崩れ、「映像=WEBとテレビ」という具合になってきました。

今後ますますWEBの重要性が増す中で、映像コンテンツもその重要性を増していきます。これにより映像クリエイターやプロデューサーにとって、テレビ・WEBの両方へのチャンスが広がっていきますが、かつてのような高額な超高品質映像を撮影するのではなく、Youtubeで見れるレベルの品質に落としつつ、低コストで簡単かつ早く多く作れる映像コンテンツがそのWEB向け映像の主役になっていくのは間違いないでしょうね。

「映像」が細分化される時代が到来し、それぞれのカテゴリで制作者の質が代わっていくことでしょう。つまり「映像の適材適所」をより深く考える時代になってきています。