G1ラボ - デジタルマーケティングを研究する為の備忘録

これからのデジタルマーケティングは技術と方法に加え、OfflineとOnline、HardwareとSoftware。6軸+αの時代を生きるデジタルマーケッター

Facebookと対極のスタンスを取るLINE。LINEカレンダーがなくてLINEスケジュールがある理由。

ムーブメントを超えて利用の常態化が進むLINE。

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これだけのユーザー数を誇るのであれば当然ながらカレンダー機能を搭載するのがアプリ責任者が考えそうなこと。しかしLINEにはカレンダー機能がない。

強いて言えば友達との約束を残しておくリマインダー要素の強いカレンダー機能はある。

LINEスケジュール

しかしこれは予定を見る為のものであり、予定が空いている日を見たり、今日は何曜日だっけなーと見るような、いわゆるGoogle Calendar的なものはない。

 

何故だろうか・・・。

 

決済機能を持つLINE。この流れはLINEをプラットフォーム化、いわゆるOS化させたいと狙っているのだろうと考えているのだけど、その為に必要となるのはカレンダーだと思うんですよね。Google Calendarを吸い込んでLINEカレンダー(仮称)に搭載できればユーザーのLINE起動率はぐんとあがりそうだし。その辺、どう考えているんだろうか・・・。

 

勿論、LINEに自分のカレンダーを預けるかどうかは人によりますね。LINEを使わない人の多くは韓国企業がオーナーであるという点を気にしている(但しLINEを日本企業と思っている海外ユーザーは多い)。日本の技術に関わるようなビジネス、韓国に新興勢力的な競合がいる場合では絶対に使えない。そういう点でビジネス要素の強いカレンダーというのは「なくてもOK」的なものなのだろう。ただ上述のLINEスケジュールがうまくハマれば、それをまとめる為のカレンダー機能という前提で作りそうな気もするね。今、自前でカレンダーAppを作っている企業はLINEに売り込んで見るといいかもしれません。

 

でもLINEもBtoCのアプリを億単位で提供しているビッグデータ所有者。彼らの動きを見ていると、世の中の消費者のニーズが少しわかってくる。このLINEスケジュールは「イベント」を軸としたスケジューリング&参加者募集機能。世の中で流行するには「カレンダー」というパッケージ、いわゆる「モノ」よりも、「イベントをする」という「コト」にタッチする必要があるんだろうなあと感じるわけです。

友達同士という個人間コミュニケーションの利便性へのこだわりなのかな。LINEはもともと電話はSMSといったものを無料で簡単に楽しくというコンセプトで提供されてきたわけですね。電話もSMSも知っている相手だからできるコミュニケーションツール。LINE役員の枡田さんが以前「知っている人同士を繋ぐ」と、「知らない人と繋ぐ」Facebookなどとは反対の路線にLINEがいると話していたし、LINEは知っている人間の関係に重きを置いているのだろうね。そう考えると、そのぶれないコンセプトを軸とした結果のLINEスケジュールなのでしょう。

 

アプリが「目指すもの」をしっかりと考え、その目指すものは長期にわたって大切にされるぶれない軸であり続ける。そこを忘れてはいけないなとアプリ企画者の1人として思うわけです。