G1ラボ - デジタルマーケティングを研究する為の備忘録

これからのデジタルマーケティングは技術と方法に加え、OfflineとOnline、HardwareとSoftware。6軸+αの時代を生きるデジタルマーケッター

どこでもドアは経済を壊す〜Twitterから

ブログは書きながらアイディアを作って行くこともあるけど、ほとんどは頭の中に書きたいテーマができてから書く事が多いですよね。その点、Twitterは短文だから頭の中の「ワンセンテンス」をポツポツ綴っていく事ができて便利です。このブログもTwitterアカウントをもっているわけですがもしよかったら繋がりましょう。

twitter.com

 

Twitterでも書いたのですが、どこでもドアってのは凄い存在だと思います。核兵器以上の最終兵器だと。勿論、戦争での活躍も半端なく、どこでもドアを使った瞬間、どんな戦でもいきなりボス戦が始まるわけです。兵隊が敵のボスがいる場所に全員でどこでもドアで急襲。例えどんなに多くの人がボスの周りを囲っていてもボスの目の前に出てしまうので結局ボスがんばれ!状態になるんです。これは脅威ですよ。つまり戦争だけでなく、テロリストも突然やってくるので、誰もボスになりたがらない時代がやってくるわけです。テロリストが支配しようとしても無駄です。ボスになった瞬間やられますから。商売もそうです。商売敵同士がどこでもドアで常時暗殺合戦です。つまり物事が進まない時代がやってきます。こんなものを作ってはいけません。

f:id:digitalmarketers:20180216115540j:plain

 

そしてどこでもドアは武力だけでなく、「移動距離無効化」というキーワードによって、経済破壊にも多大なる貢献をしてしまいます。

 

まず、「移動距離ゼロ」という「距離」の無効化によって、自動車メーカーなどの輸送機器メーカーに影響が直撃し、壊滅的な被害を受けます。ドアを開けたら目的地なわけですからね。自動車や自転車に乗らない人が一気に増え、それによって関連産業の倒産が相次ぎ失業者が一気に増えます。

次にこの「移動距離無効化」はECサイトを直撃します。忙しい人が買い物に行く時間がないという事や、家にいるだけでものが買えるという利便性から人気のあるECサイトもその時間節約の効果が「移動距離ゼロ」という時間節約によって威力無効化されてしまうわけです。30分以内の配送をうたっても、ドアを開けてすぐ購入には叶わないわけです。

家電量販店も同じですね。量販店の良さは複数のカテゴリを1箇所で販売できるのが強みですが、どこでもドアでそれぞれのメーカー店舗に行けば購入できてしまうので量販店の良さが消されてしまいます。ポイントシステムでなんとかメリットを出そうとしても、どこでもドアのサービス提供会社が「DOKOCA」みたいな名前のポイントカードを作ったら絶対にメーカーがこぞって加入するでしょうからあっというまに量販店のポイントはゴミくずの価値になることでしょう。

もしかしたら携帯電話産業もダメージを受けるかもしれません。携帯電話の場合は「いつでも会える」どこでもドアによって「会って話す」というアナログ時代に戻りそうで携帯電話契約者数こそかわらずとも、利用頻度が減るので料金パッケージの少額化が進むかもしれません。

SNSも形が変わりそうです。他人が知らない場所を紹介したり、今の自分を配信したりとコンテンツのデータベースでもあるSNSでしたが、そこに「どこでもドアリンク」機能が追加され、他人が行ったLocation情報を吸い込んで、ボタンをクリックしたらどこでもドアがすぐに開いてその場所にいけるといった感じ。あー怖い。そうなるとSNSそのものが避けられるようになり、縮小化されるかもしれません。

 

便利な事も多い反面、やばすぎる事が多すぎるどこでもドアは未来永劫開発されることはないのでしょうが、このような点を踏まえても、私がいつも考えている事はこれです。

「モノ」と「人」の距離が縮まるとイノベーションが起きるが「コト」と「人」の距離が縮まると大なり小なり経済破壊が発生する

 私はデフレには色々な原因があると思いますが、デフレのキーワードの1つに「コトと人の距離の短縮化」があるのだろうと思っていますよ。コトと人の距離の短縮化は世の中の合理化が進んで行く事を意味していますので、淘汰されるものも少なくないと思っています。なんとか経済学ではないですが、あえて名前をつけるとすれば「距離経済学」だと私は思っています。東京から大阪までの旅行日数の短縮に比例して失っているものと、経済成長速度は一定の連動性があると考えています。個人的に日本の経済は新幹線ができた頃がピークで、それ以降は本質的な力強さを持つ経済成長はあまり見られてない気がしています。

 

最後に、かなりうがった見方で見ると、史上最悪最凶の最終兵器「どこでもドア」を「ドラえもん」というほんわかとした子供向けアニメで「どこでもドア」はいいものだと刷り込んでいる今の世の中は凄いとなります。藤子不二雄は人類を破壊に導くDr.ゲロみたいな存在になってしまいます。昔のアニメって意外と裏から見るとシュールというか、怖い理解ができる事が多いですよね。

 

くだならい理論に最後までお付き合いいただき有難うございました。