G1ラボ - デジタルマーケティングを研究する為の備忘録

これからのデジタルマーケティングは技術と方法に加え、OfflineとOnline、HardwareとSoftware。6軸+αの時代を生きるデジタルマーケッター

WEBデザインがおかしなことになってる場合。

デザインが上手なWEB、そうでないWEBと世の中には色々ありますが、「あー、これはいかんな」と思うWEBを持つ企業にヒアリングをしてみると共通している事がいくつかあります。今日はその共通していることの1つについてお話してみようと思います。

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WEBデザインを依頼する時、紙デザイナーに頼むことがありませんか。ちゃんとWEBデザイナーに依頼をしていますか。WEBデザインの一丁目一番地のテーマは「誰に頼むか」です。ここを間違えるとWEBデザインは惨状を極め、コーデイング後の仕上がりがイメージ通りではなくクライアントからも文句を言われるケースがあります。

何が違うのか。これ、私も多数の紙デザイン案件を生涯でこなして来ているので両方の特性をよく理解しているので、決して紙デザイナーを批判しているわけではなく、そこを誤解してほしくないのですが、ユーザーの視点移動の話など色々ありますが、私が両者の間で1番大きな違いだと思うのが

WEBデザインは立体的思考、紙デザインは平面的思考 

という部分です。

WEBはトップページ、コンテンツページ、コンバージョンを目指した最終ページ(問い合わせ、購入ページなど)へと複数ページの連動を軸とし、イラストや写真、テキストだけではなく動画も使える立体的かつ動的なデザインで、いわば思考的3D設計が求められます。その一方で紙デザインはその1ページで勝負をする必要が多く、感性的2D設計が求められると思っています。紙デザインで求められる感性的な訴求はイメージがしやすいですが、WEBデザインで求められる思考的3D設計は、デザインを「機能」としてシビアに見る視点が必要になります。

 

この辺を理解している紙デザイナーであれば問題ないのですが、これが理解できていない紙デザイナーに、WEBデザインをお願いしますと、トップページが壮大なチラシと化します。全てのページに素晴らしいデザインを!と思うのはありがたいのですが、WEBのゴールを考えた時に、WEBデザインは紙デザインのアンチテーゼかよと思うほどに正反対のアプローチをすることがあり、それはWEBデザインを知らない紙デザイナーには理解が難しいことでもあります。

 

例えば、1店舗しかない個人経営のガソリンスタンドの場合。

WEBデザインを理解していない紙のデザイナーにWEBデザインをお願いすると、取り扱っているガソリンのPRと価格提示のデザインを懸命に行います。ガソリンスタンドの位置情報は恐らくその次の扱いになることでしょう。しかしWEBデザインの場合は、ページに到着した時に見える最初の画面(1st view)のどこかに確実にガソリンスタンドの場所がわかる情報を入れます。それがバナーなのか、マップなのか、タイトルにXX市といれるのか、色々考えることができるでしょうが、「ユーザーがなんのためにWEBでアクセスしてくるか」と考えた場合に、場所を知るためにユーザーがこのガソリンスタンドのWEBを検索しているケースが少なくありません。従ってアクセスしてきた人に即座に場所情報を教える事が優先されます。

 

必ずしも優秀なセンスのある紙デザイナー = 優秀なWEBデザイナーではない

 

そこを理解した上で、デザイナーの選択をしていくことをお勧めします。海外では日本人デザイナーがWEBデザインを兼務する事が多いのでこの見極めがしっかりとできていないと、依頼主が損をするケースが少なくありません。是非お気をつけて。