東南アジア、FacebookはECサイト。Instagramはカタログ。
ずっと前から言われていたけど、最近痛感に近い感じで感じることはこれ。Facebookは決済機能を持つようになりそこで物を売ることができる。その中で何が良いかというとBtoCとしてのEC機能ではなく、CtoCのEC機能を手軽に持ててしまうということ。
企業や個人はEC構築にお金をかけ過ぎることなく、EC構築で使う予定だった余剰資金でFacebook広告で勝負!
・・・というのをFacebookは狙っているのでしょうね。その為にFacebookがすべきことは1つ。Facebook登録ユーザーの死守。日本ではFacebookはオワコンと言う人もいますけど、東南アジアではまだまだ超優良コンテンツです(コンテンツっていうのかな)。Facebookを見る=ネットサーフィンと言ってもいいくらいの利用率。日本ではLINEのタイムラインのほうが受ける?という記事も見ますけど、いやいや、LINEのタイムラインよりFacebookのタイムラインですよ。それくらい東南アジアのクリエイターやデジタルマーケッターはFacebookマーケティングに力をいれて活性化させようと必死です。ショップ機能できたよ!クーポン機能できたよ!など・・・これぞFacebookのアンバサダー達・・・なんてこった、FacebookはAppleばりのアンバサダーを東南アジアでしっかり確保しているじゃないか。
東南アジアでは電子商取引といわれるECの主戦場はBtoCからCtoCにうつり始めています。Facebookでも売買が活発で、コミュニティも多いです。嘘だ!!と思うかたのために参考コミュニティを紹介します。タイのコミュニティです。
iPhone売り買いコミュニティ「iPhonemod Market Thailand」
https://www.facebook.com/groups/imodmarket
57,000人もの人たちが登録・参加をしているコミュニティ、常にiPhone関連の個人間取引が行われています。
iPhoneを売り買いする人たちの事情は色々です。日本と違って月賦制度ではありませんから一括払いもしくはクレジットカード払いです。日本人でも一括払いがしんどいiPhone、初任給が45,000円のタイで新品iPhoneを買うのは楽ではありません。欲しくて買ったけど支払いが苦しくてすぐ販売する人もいれば、新品を買えないから中古を狙う人もいたり、一定の売り手と買い手の需給環境が整っているのです。
楽天もBtoCの楽天モールをタイやインドネシアから撤退、既に東南アジアでCtoCのECアプリを展開しています。楽天を見ていると何が将来のニーズなのかわかります。
そのような流れの中でFacebookは粛々とEC機能を強化しているわけですが、Facebook社にとっては、Facebook上で取引の決済をさせれば全ての取引に対して手数料を取れます。Facebook社はその営業収入の9割を企業などからの広告収入に頼っているとのことなので、やはり新しい収入フローを考えないといけないのですね。そう考えますと企業数よりも圧倒的に数が多い個人数からの収益を考える他はありません。だからFacebookは会員数を増やし続けないといけません。今後別カテゴリでの人気SNSが出てきたら徹底的に買収をかけてグループ会員数を増やそうとするのではないでしょうか。
その例の1つとしてFacebookはInstagramを傘下に納めています。InstagramはFacebookからユーザーを奪っている画像中心のビジュアルSNSです。Facebookとは若干異なる特徴のある角度をもつSNS、強みとしては電子カタログとしてのポテンシャルとパフォーマンスが高い点ですね。文字、写真、動画、様々な機能を網羅するバランス型のFacebookには絶対できないとんがり方をしています。だからこそ全知全能の神のように存在したいFacebookを補完する立場のSNSとしてはうってつけだったのでしょうね。
Facebookは様々な情報を掲載でき決済もできるECとしての強みを持ち、それを補完するためのWEBカタログとしてのInstagram。こりゃ、このままいけばEC開発会社の淘汰は確実にやってくるでしょうね。
経営的な視点から考えるとやはりECに関連する業界にいる企業は、「何を開発できるか」ではなく「どんな適応能力を持つか」が重要だなと感じます。