G1ラボ - デジタルマーケティングを研究する為の備忘録

これからのデジタルマーケティングは技術と方法に加え、OfflineとOnline、HardwareとSoftware。6軸+αの時代を生きるデジタルマーケッター

必要とされる場所に正しくARを使う。今後のARの未来は適材適所。

ARの開発チームのPLをしている立場から思うのは、ARって、結局のところAR単体ではビジネスとしては完成しないということ。この手のツールでは当たり前ではあるのですが、やはりARもまたワンオブゼム、何かの中の1つとして機能していくのだと思っています。 ARという機能は完成形でも、ARの役割は何かの補完的要素。何かの役に立つという所で活躍し、AR以外に代替できるものがないシーンでのみの価値になる気がしています。つまり、ARを使う人間のアイディア勝負であり、アイディアによってARの生き死にが決まると考えていいでしょうね。

ARゴーグルを用いて力の情報を可視化した調理支援システムを開発(大学院理工学研究科 辻俊明准教授)

埼玉大学では技術育成、ちょっとしたE-learning的な要素で研究を進めています。やはり教育系機関にARは期待を持たれているようです。確かに教育とARは相性がよく、現実の教育への「補完的」要素としての役割を果たせるという強みをもっています。一般向けではポケモンGOでBtoCのAR普及の波がきた感じも一瞬ありましたが、あれはARであっても、本当の意味でARが完全な効果を発揮したかというとそうでもなく、ゲームそのもののアイディアがよく、そのアイディアをロケーションベーシスAR機能が上手に補完していた・・・という感じで、画像認識によるARという側面はあまりありませんでした。そしてARモードでなくても遊べるという点もARが絶対に必要という感じではありませんでした。そしてあの機能は恐らくARでなくても実現できていたような気もします。

そう考えてみると、ARはやはり狭い領域だよな・・・と感じますが、狭い領域だからこそ深掘りできてお金になりやすいのだと思っています。特に人間の目が及ばない災害系では活躍の場が多いかと。例えば原発事故。福島原発の中にロボットを入れる時に、ロボットの目となるカメラにAR機能を取り付ける。サイズ、傾斜、温度、湿度、煙、煤塵などの各種センサーの計測データを組み合わせてロボットの進む先の経路に補足情報を数値、色、線などで入れるとか。ARなどの技術もロボティクスの1つだと思うし、やはりロボットの補足機能としてはかなり優秀だと思うのですよね。そしてそれを最後は人工知能が読み込んで省人化のロボット作業とすると。既に一部実施されていることではあるけど、やはりこのARという技術は「補完ツール」としての能力や可能性は無限大に大きいと感じます。

今後のARメーカーは「何が」補完ツールを必要としているかを見極める事が大事になってきます。ARに周囲をあわせるARありきではなく、ARがあわせていくのですね。