G1ラボ - デジタルマーケティングを研究する為の備忘録

これからのデジタルマーケティングは技術と方法に加え、OfflineとOnline、HardwareとSoftware。6軸+αの時代を生きるデジタルマーケッター

DSPマーケットに5年後はあるのか。

 

webbu.jp

最近、色んなところでDSPセミナーが乱発されているような気がするのですが、これだけDSPツールが世の中にごまんと溢れ出ると機能の標準化が一気に進むんじゃないかなと思っています。機能の標準化が進めばサービスプロバイダの体力勝負になってきますよね。使う側のユーザーにとっては使いやすくなるのでウェルカムなのですが、サービスプロバイダにとっては苦しい時期が始まりそうです。

それだけではなく、DSPそのものがいつまでその存在感を単体として維持できるのかという問題があります。DSPとはアナログでの作業を最大限自動化させ、分析力を最大限まで向上させるツールではあるのですが、DSP単体としての「最大限」にはやはり限界がありその限界を突破するのは単体では無理でしょうし、もうこれ以上の上積みはないだろうと感じ始めていて、早急にブレイクスルーが必要になっているのが現状です。そしてその「最大限」にブレイクスルーをもたらすのが人工知能なのですが、DSP人工知能対応させるという補完的発想だと多分ダメで、人工知能DSPを作ったかのような・・・DSP人工知能の細胞の1つに過ぎないような感じの「人工知能が販売効率最大化」をするというビジョンの大波に飲み込まれてしまうと予想しています。

例えば、文書作成だとわかりやすいのですが、現在、文章を先読み予測して変換してくれる機能がありますが、人工知能であれば文章を人間の代わりに考えてページ単位で書くということが「最低限やれること」という次元だと思います。そんな感じで入口が違うんですよね。補完的ツールと、人工知能では。

今後開発されてくるシステムやソフトウエア、ツールなどは5年後の姿を想像して企画を検討していく必要があると思います。

 

 

 

VR+AR+ 自動翻訳の抱える未来

VRとAR、目に見える世界で自動翻訳機能を提供するというのは夢のある話ですね。 

VR/ARを繋いだ空間で翻訳機能を使い、言語の壁なくコミュニケーションが取れる「Project Sonata」を発表

 

しかし、自動翻訳機能というのは長年研究されている領域ですが未だに完成品と言われるものがありません。それは自動翻訳の持つ現実と、それを司る産業に問題があります。

自動翻訳というのはその名の通り、翻訳したい言葉を翻訳する機能です。「こんにちは」と言ったらデータベースが「Hello」や「Hi」のいずれかで返す必要があります。「やあ」と言っても「Hello」や「Hi」のいずれかになります。文脈を読んだり雰囲気を読んだりして「翻訳候補」から的確な単語を抽出する必要があります。

例えばクレーム対応の訪問時に英国人が翻訳機能を使ったものの「Hello」を「やあ」と翻訳されたら相手の日本人は決して良い気分にはなりません。

私の持論ですが、自動翻訳には「高度な言葉のデータベース」の他、「表情認識」「音声認識」で喜怒哀楽を把握する機能があると思います。人間にとっての会話とは脳が司っているわけですから感情と100%関連性を持ちます。例えば眉毛が八の字になって高めの声で速度が早い場合は「怒っている」という想定になり丁寧な言葉を選び出すというレベルまで高められなければ本当の意味での自動翻訳とは言えません。

しかしここでもう1つの問題とぶつかります。現在の翻訳ソフト会社、翻訳会社ではそこまでの開発能力を持っていないのです。自動翻訳を人工知能とくっつけて考えようとするのは翻訳会社ではなくむしろGoogleなどのようなIT企業です。しかしIT企業には翻訳のデータベースの細部のノウハウはありません。

ではどちらかが買収をして吸収するかといえば、その将来性がどうなのかという疑問があります。完璧な自動翻訳機能は完全な先行者利益です。どこかの企業が最初にルールとロジックを作り出せばそれが世界の基準となっていくことになります。そうなるとその公益性から収益性を考えることは難しくなっていきます。

もう1つはそれだけの能力を持つ自動翻訳機能を世界が許すかどうかですね。翻訳できてしまうということは良いことばかりではありません。ITによって世界の可視化が進んだことで政府の転覆が容易になりました。ここに完全な自動翻訳機能がつくことで世界のニュースなどの映像や音声が瞬時に翻訳されるようになります。それを望む政府がどれだけこの世界にあるのかは疑問です。

しかしVRとARが自動翻訳と繋がり始めたというこの冒頭のニュースは、そんな世界に入っていく第一歩目でもあるかと思います。VRとARの機能を持つカメラが表情や音声を認識するようになれば・・・。

これが完成した時が本当の意味でのボーダレス世界開始なのでしょうね。

 

  

障害発生か?と思った時に自分でできる障害情報調査。

難しい話ではありません。

「あれ?システムダウン?」と思ったり、「なんか銀行にアクセスしにくいな・・・」と思ったら以下のURLで調べてみてください。メジャーなサイトであれば一発でわかります。

障害の概況

 

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速報的なものであればFacebookページもあるようです。

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普段はあまり必要の無いものですが、知っておくだけでここ1番で初動の質があがりますね。

 

 

ブロックチェーン。未来の「EC低価格開発」のKeyとなるか。

ビットコインでその名を有名にしたブロックチェーンシステム。日々その話題性が高まっているのはトレンドを見てもわかります。 

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このブロックチェーン、大雑把に言えば台帳を世界中で共有して不正を防いでいくというシステムなのですが、もっと大雑把に言えば伝言ゲームをしながら不正を防ぐというイメージです。10人並んで伝言ゲームをするときに「たこ」と最初の人が言い、次の人が「たこ、いか」という。そうすると次の人が「たこ、いか、マグロ」と言う・・・という感じで取引の履歴を含んだ情報で取引を履歴を繋げていくというのがブロックチェーンの仕組みのようです。確かに途中で改ざんをしますとゲームが成立しませんから、そこで不正がわかりますよね。

・・・とは言っても本当はもっと複雑な要素を持つのがブロックチェーンなので伝言ゲームだけの理解ではダメです。NTTデータのWEBサイトにわかりやすい仕組み図が掲載されているので紹介します。

www.nttdata.com

 

今、そのブロックチェーンシステムを勉強しはじめています。このシステムはECサイトの受注業務にも有用ですし既にECプラットフォームのEC-CUBEなどはかなり深い研究を進めているようです。

株式会社ロックオン、ブロックチェーン技術のeコマースへの応用にむけて、第一段階の検証を完了。コスト削減の他にも、オムニチャネル時代のECインフラ基盤へ大きな可能性。

 

ECインフラにとってどのような影響を与えるのかワクワクするところはあります。このニュースリリースでも記載されていましたが、サーバー負荷に対しての改善効率の高さはEC事業者にとってコスト負担の減少を意味します。今までサーバーに費やさなければいけなかった費用を他の事に展開できるというのは事業者にとって大きいだけではなくユーザーに対して提供されるサービスや情報などが充実する可能性を含んでおり、期待が大きい話です。

そう考えますと現在システムに関わっている多くのエンジニアにとって、ブロックチェーンは今後必須の科目になってくるのではないでしょうか。

 

 

ECを手軽にやりたければ量より質。

明日からECやろうかな。

そう思って開始できるのがインターネットショップ、いわゆるECサイトです。今は簡単にWEB構築もできる時代ですがFacebookで小規模なECもできます。例えばFacebookではじめるECにはリアル店舗のようなテナント料や光熱費がなく非常に安上がりなスタートアップとなります。

ここを見てくださる人の多くは中規模以下のECサイトを検討されている人かと思います。そんな方々にとってECサイトで大事なことは量より質です。

量でいきたければたくさんの在庫を揃えて棚揃えの良さをアピールできます。しかし在庫型ECをするのであれば在庫費用をどうするの?という悩みがあります。では在庫を持たないEC(注文がきてからオーダー)であればどうか?となりますがこれはこれで納期の悩みがあります。オーダーがきてから自分で購入をかけて入手して配送まで時間が必要です。今流行りの今日・明日宅配の必要はありませんが4日から5日くらいで配送したいものですよね。特注品でない限りは。しかも数が増えたらそれを自動化しなければいけなくなり他システムとのシステム連携が必要となります。

それらを総合的に考えて在庫型ECに取り組む方が多いのではないかと思います。そんな時は量は揃えきれなくてもいいので質にこだわりましょう。質とは商品の質もそうですが、商品を推薦する質です。購入者に「究極の一品」を紹介するために全身全霊を尽くした紹介コンテンツを作りましょう。ありきたりな言葉になりますが良質コンテンツはSEOにも効果的です。そして何より「物を知る」ユーザーが訪問してきたときに「専門サイト」と思ってもらえる可能性があります。

費用をかけずにやるのであればせめて自分でできる事を究極レベルに持ち上げていくことが大事なのです。鉛筆と紙で必死にコンテンツを考えて写真をとってアップするのもいいでしょう。手書き?と思うかもしれませんが手書きはユーザーのインプレッションは意外と悪くありません。むしろ手作り感があって目に通してもらいやすいメリットがあります。

広告配信もそうです。何百万、何千万というユーザーに対して広告を配信するには予算をしっかりと確保する必要があります。商品価格が安い場合これを回収できるか?という疑問もあります。そして大量に広告を配信できて訪問者が増えてもコンテンツがダメだと購入まで到らなくなります。むしろ大切に作ったA4サイズ1ページの手書きコンテンツを100人に渡した方が購入率が高いかもしれません(多分高いのは間違いない)。

物を売るというのは「自分を売る」のと同じと考えて見てください。どんな自分を売りたいですか。どんな風に自分をPRしたいですか。そこが「顧客」を掴んで離さないストーリのプロローグだと思います。

 

 

美しさよりも経路。B2BでWEBを作る最初のコツは道を外さないこと。

外道になるな!

・・・と言ってるわけではありません。突然会社のホームページを担当する事になり色々と学ばないといけないと頭を抱えている人も多いのではないのでしょうか。時々相談を受けます。そんな時にお話しするのは「開き直ればいい。道を外さなければ、人は来る」という事です。BtoCであればまだ自分がプライベートでCの立場でもあるから「買いたい気持ちの構築方法」をイメージできます。しかしBtoBとなると全くチンプンカンプンです。

でもそれでいいんです。まずは。だってB to Bですからそのマーケットにおける美しさの基準とかデザインの基準とかは人によってそれぞれですし、相手がクライアントかサプライヤーによって訴求ができる色合いは変わってきます。つまり、多くの人に愛されるデザインや美しさというものは「達人の技術」の領域みたいなものです。簡単にみなさんが身につけられるものではありません。何をどのようにすればいいか考えすぎて最後は全部掲載されていてなんとなくコーポレートカラーをふんだんに使った凄いWEBにしよう!と落ち着きたくなりますよね。

しかしそこまでシリアスになる必要はありません。まずはWEBコーディネーターとして経験を積んでいる間は簡単な事だけおさえておけばいいのです。

だって考えて見てください。殆どのB to BのWEBにおいて訪問者を得ているページはごくわずかです。1年間で1度も見てもらえないページなんてざらです。だから必要以上に構えすぎる必要はないのです。WEBは辞書だくらいに考えておき、大事なことだけおさえておくようにしましょう。

■コンバージョンはストーリーのゴールに。

CVと言われるコンバージョン。いわゆるゴールとしたい部分ですね。ECサイトなら購入がCV、会員制サイトなら会員登録をCVにするところもあります。B to Bの場合は、多くのケースでは「資料請求」や「問い合わせ」をCVにしています。

ではこのコンバージョン率(CVR)を上げるためにはどうするか。やはり問い合わせボタンを常に目に見えるところに置けばいいとなりますよね。常に問い合わせができるように、常に見えるようにする!ということです。

確かにこれは正しいです。しかしちょっとまって。その問い合わせは「今すぐ問い合わせをしたい」理由がある問い合わせの時は有効ですが、問い合わせの理由がないときには有効ではありません。例えば機械が故障したりして交換をしないといけない時はWEBサイトの内容で最も必要なのはコンタクト先になります。そういう人たちのためには、いつ何時でも問い合わせボタンは見せていた方がいいでしょう。

しかしそうではなくてある製品やサービス、技術をGoogleなどで検索して訪問してきた人たちにとっては問い合わせというものは第1チョイスではありません。知りたいからこそやってきたわけで、「別に連絡取りたいわけじゃないし」と思っている人が大半です。そんな人たちにとっては「問い合わせください!!!!!」と大きく買いてあるボタンは「ちょっと営業色強すぎるね」と逆効果であったりします。

そんな人たちは「ストーリーなくして問い合わせなし」だと考えるといいでしょうね。自分たちが設計したストーリーの結果、もっと話を聞いてみたい、価格を知りたい、会ってみたいと思ってもらい納得の「問い合わせボタン」クリックに繋がる、これがB to BにおけるCVRをあげる「道」です。

例えば製品ページ。製品ページの中にカタログダウンロードボタンがあるかどうかはCVの成否に影響があります。WEBにある情報は比較的軽めの情報で、その情報が来訪者の興味をそそればカタログという詳細情報までたどり着いてくれます。つまり「求めてる」わけですね。情報を。そしてその求めた情報に満足をしたら問い合わせたいと思うようになります。その時に1番近くに「問い合わせ」という文字があるボタンがあればその流れで問い合わせをしてくれる可能性はあがってきます。

これ、私たちの日常会話の流れと全く同じです。

Aさん 「財布かえたよ」

Bさん 「え、興味ある今度見せて」

Aさん 「今もってるよ。ほらこれ」

Bさん 「素敵!私もこれ欲しい!どこで売ってるの?」

 

・・・とこんな感じで、欲しいもの(情報)を適切な場所に置いておくことができれば、物事はどんどん進行していきます。集中力があるうち・・・いわゆる鉄は熱いうちに打て!という言葉のように「感動」を生んでいる最中に一気に問い合わせに持ち込むということなのです。

つまりWEBは見た目の美しさなどよりもユーザーの意識の「経路」に配慮をすることが優先されるということです。

この道をいけばどうなるものか危ぶむなかれ!とアントニオ猪木は言いましたが、WEBでは「この道をいけばどうなるものか、よくよく考えて設計せよ!」という感じですね。

■問い合わせの文面に隠されたWEBの評価がある

最後にもう1つ簡単なレビュー(振り返る)テクを書いておきます。それは問い合わせ文面です。

文面がアバウトであればあるほどWEBが役割を果たせてないかもしれないと考えた方がいい

問い合わせが来たのだからコンバージョン成功でやったー!じゃないかと思う方もいるかもしれませんがちょっとまってください。問い合わせ内容をしっかり分析すれば将来的なWEBサイトの抱えるリスクを把握できるかもしれません。

例えばA社は「貴社の商品について詳細を送ってください」「貴社のサービスはなんですか」という問い合わせを受け取りました。B社は「WEBで資料を拝見しました。このAAAという商品に興味がありますが接続部分がXXX型でも接続可能でしょうか」という文面がきました。この両者を比較して見てください。もうおわかりですよね。

 

A社:興味レベルの問い合わせ

B社:具体的なビジネスの問い合わせ

 

WEBからの問い合わせに関するビジネスは時間勝負のものが多い傾向にあります。問い合わせからクロージングまでの時間が短ければ短いほど成約率があがるようです。

つまりWEBがその役割を十二分に活かし、訪問者にWEBで十分な情報を渡して、具体的な問い合わせをしてもらうというのが無駄のない高確率のWEB商談になってくるわけです。興味レベルの問い合わせは問い合わせに返信をしてもさらに連絡が来るというのは高い壁です。なんどもやり取りをするうちに競合他社のスピードに負けてしまうこともあります。つまり問い合わせの精度をあげる工夫がWEBに必要なのです。

その状況に対して親和性が高い方法の1つが上述した製品情報ページにカタログボタンを置き、カタログボタンのそばに問い合わせボタンをおくというやり方です。

WEBはその責任をしっかりと果たせた時、コンバージョンとなる問い合わせの質はあがりその先にある企業としてのコンバージョンである「販売」に繋がりやすくなるということを覚えておくといいかもしれません。

WEBコーディネーションの経験が少ないうちはデザインよりも"経路"にこだわる。

 最後にもう1度書いて終わります。